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ロンドン 柳沼淳子
単刀直入に申し上げるならば、ロンドンは愛すべき女性(ひと)である。ロンドンはひねくれている。さらに茶目っ気たっぷりにふざけることのできるムードメーカーである。そこが良い。しかしよく見透かされ、時に繰り出されるブリティッシュ・ジョークも諸刃の剣で、自分の方に切っ先を向けてしまうこともしばしばである。そこもまた良い。つまりロンドンは、人類の見栄やちっぽけな自尊心、さらには出世欲などをシンプルな形で肯定してくれるのである。しかしそんな人物像が形作られるには、やはり多くの修羅場をくぐり抜ける経験が必要だったのは言うまでもない。彼女も一時は人生の荒波に揉まれ、テムズ川に身を投げようとしたことがあるとかないとか。そんな人生から這い上がってきた彼女って、一体いくつ…?という野暮な質問は、星に聞いていただきたい。